ダイヤモンドを贈る理由と歴史について

ダイヤモンドを贈る理由と歴史について

ダイヤモンドの選び方
2018.03.05

977views

婚約指輪に限らず「宝石」「結婚」「永遠」など、さまざまな言葉の連想の先に「ダイヤモンド」があります。変わることのない輝きは世界中で愛され、誰をも圧倒する唯一無二の存在です。もはや疑うことさえないほど「婚約指輪=ダイヤモンド」と定着していますが、今回は、そもそも「なぜダイヤモンドなのか」ということにフォーカスしてみたいと思います。

ダイヤモンドの歴史とは?

ダイヤモンドは古代から貴重で神秘的なものとされたと言われています。ダイヤモンドはギリシャ語で「征服しない」という意味のアダマス(adamas)を語源としています。神秘的、呪術的なものから長い年月を経て、やがて鉱物、文化、産業へと発展しました。
婚約指輪は古代ローマ時代からあり、当時から婚約の際に指輪を贈る風習はあったと言われています。指輪は婚約の契約の印とされ、誕生当初はダイヤモンドがついておらず、シンプルな鉄製の指輪だったとのこと。
そして、15世紀には婚約指輪にダイヤモンドが使われるようになりました。それまで婚約指輪には宝石は飾られていなかったものの、中世になると裕福な人たちを中心に宝石を飾った婚約指輪が贈られるようになったのです。 ただ、中世にはまだダイヤモンドの研磨技術が発達していなかったので、天然の形のまま婚約指輪に使用されていて、今ほどの輝きはありませんでした。
19世紀末には、一般の人々も間でもダイヤモンドの婚約指輪を贈る文化が根付きだしました。それまでは富裕層しかダイヤモンドを飾った婚約指輪を用いていませんでしたが、1866年に南アフリカでダイヤモンドの鉱山が発見されたことにより、ダイヤモンドを安定的に供給できるようになったため、一般の人々もダイヤモンドの婚約指輪に手か届くようになったのです。

日本で婚約指輪にダイヤモンドが選ばれる理由

ダイヤモンドが憧れの存在として日本に定着したのは戦後、高度経済成長期の1960年代から。これまで制限されていたダイヤモンドの輸入が1961年に解禁となり、高度経済成長によって人々の生活も豊かになったため、婚約したらダイヤモンドの婚約指輪を贈る習慣が定着していったのです。
その後テレビCMなどの影響もあり、男性から女性に贈るものとして一般化しました。ステータスとして、慣習としても婚約指輪にダイヤモンドが選ばれるようになりましたが、実際のところ、本当の理由は、贈る人や贈られる人の数だけあるのではないかと思います。

ダイヤモンドを贈る意味

そもそも、なぜ婚約指輪にはダイヤモンドが使われるのでしょうか?その理由は、ダイヤモンドの硬さと希少性の高さにあります。「世界一の硬度」を持つとされていて、希少性も高いために、永遠の愛を誓うのにふさわしいとされているのです。
ダイヤモンドはダイヤモンドでしか加工ができないというのは有名な話ですが、この硬さが揺るぎない思いや絆を象徴するものとして考えられています。また、天然の鉱物であるダイヤモンドは希少価値が高く、手間をかけて採掘してからも、宝石として流通するまでには大変な時間やコストがかかります。この希少性にも大きな価値があります。
中世から長い間、愛を伝える宝石として愛され続けてきたダイヤモンド。婚約指輪にダイヤモンドを飾ることで、婚約の証しとしてお互いの愛を確かめ合うことができます。これから始まる長い人生を照らし、ふたりの道しるべとなるアイテムでもあります。
もちろんダイヤモンド以外の宝石を選ぶカップルも少数派ながら存在します。誕生石をあしらったり、石言葉から宝石を選んだりするのもいいでしょう。ただ、特にほかの宝石に対する強いこだわりがないのであればスタンダードなダイヤモンドがおすすめ。婚約する時にしか購入しない一生に一度のアイテムだからこそ、ふだんはなかなか購入する機会のない愛の宝石・ダイヤモンドをあしらって、最高の婚約指輪を手に入れてはいかがでしょうか。

ストーリーを持つ石、ダイヤモンド

高い硬度により、耐久性があり、特別な加工でなければ形を変えることはできませんし、希少性の面からも次々に買い替えるという性質のものではありませんから、自ずと「一生もの」というようなイメージがダイヤモンドにはあります。それどころか、親から子へ受け継ぐなどダイヤモンドは装飾品にとどまらないストーリーの奥行きがあります。財産としても家族の歴史を支えるものになり得るのです。

そして何より、ダイヤモンドの魅力はその美しさです。美しさの感覚は人それぞれですが、ショーケースの中ではわからない魅力があることをぜひ体験してもらいたいと思っています。前述したように、ダイヤモンドは鉱物として採掘され、指輪のかたちとして出会えるのはいわば運命のようなもの。長い年月でさまざまな場面をともにするお守りのようなものになるでしょう。ただのアクセサリーではなく、持っているだけで素敵な気持ちになれるアイテムだと思いますよ。

クリスマスプレゼントにはダイヤの指輪!

いよいよクリスマスも本番。プロポーズを考えていらっしゃる方も多いと思います。クリスマスにダイヤモンドの指輪をプレゼント、なんていうロマンティックなプロポーズなんていかがでしょうか?

ライター紹介

写真:岡村奈奈

岡村奈奈
音大卒業後、専門式場などの婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。女性誌やテレビ出演などでも注目される。ウエディングプロデュースでは、オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホール等でのユニークなパーティ、伝統的な和婚までオールマイティに対応するトッププランナーのひとり。 公式サイト「naea」 岡村奈奈ブログ Twitter Facebook

関連記事はこちら