結婚の約束を正式に取り交わす儀式である結納は、両親や親戚の前で男性が女性に誠意を示す神聖なもの。食品やお酒、結納金などを贈って強い決意を伝えることで、両家とも安心して自分たちの子どもを新しい人生へと送り出せるのです。 最近は簡略化した結納も増えていますが、沖縄にはまだまだ独特の風習があるのできちんと把握しておきたいところ。美しい海に囲まれた沖縄だけあって、潮の満ち引きに合わせた結納が行われています。 まず、男性側は満潮に合わせて、女性宅へと結納品・天ぷら・結納料理を持っていきます。結納品は、風呂敷などで包みますが、結ぶのはご法度。ほどく作業は縁起が悪いからです。ただ、最近はホテルや旅館で結納するカップルも多いので、その場合は干潮から満潮までの間に終わらせるようにしましょう。 また、沖縄では儀式を重要視する傾向があるので、簡略化する場合は両家への相談を欠かさずに行うのがおすすめです。簡略化することを好ましく思わない人も多いからです。結納をきちんと行えるかどうかが両親や親族からの信頼感につながるので、段取りなども確認しておきましょう。

結納菓子として「サーターアンダギー」「白アンダギー（カタハランブー）」「マチカジ」を用いるのも沖縄ならではの風習です。 サーターアンダギーは沖縄で「黄金魂 クガニムドシ」と呼ばれていて、女性のお腹を意味しています。結納菓子として新郎から新婦へ贈ることにより「立派な子どもが生まれますように」と祈願するのです。 そして「白アンダギー（カタハランブー）」は子宝の象徴。「マチカジ」は愛し合う二人の縁を結ぶことを表す赤い糸をイメージした煎餅菓子で、縁起のいい「結び切」の形が特徴的です。 サーターアンダギーは沖縄の名物として有名ですが、昔はイモが主食だったので、たっぷり砂糖を使用した貴重なお菓子として愛されていました。お祝いの時しか食べられない特別なお菓子だったので、今でもお祝いの席で用いられているのです。