「一番硬い物質」にも傷がある?ダイヤモンドのクラリティについて

「一番硬い物質」にも傷がある?ダイヤモンドのクラリティについて

ダイヤモンドの選び方
2018.06.15

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婚約指輪の代名詞ともいえるダイヤモンド。美しく光り輝くその姿には、ついうっとりしてしまいますよね。
そんなダイヤモンドですが、主に4つの観点から品質の評価がされています。
「カラー(color)」「カラット(carat)」、「カット(cut)」「クラリティ(clarity)」といった4つの観点は、それぞれの頭文字から「4C(フォーシー)」ともよばれていて、ダイヤモンドの品質や価値をつけるための重要な要素になっています。
みなさんの中でも、カラーやカラットといった言葉に耳馴染みがある方も少なくないでしょう。
しかし、さきほど紹介したなかにあった「クラリティ」という言葉、この言葉については初めて耳にしたという方も少なくないのではないでしょうか?
今回はそんな婚約指輪とダイヤにまつわる「クラリティ」についてご紹介していきます。
ダイヤモンドのグレードを理解して、とびっきり良い婚約指輪を選んじゃいましょう!

クラリティとは何か?

そもそも「クラリティ」とは何を指すものなのでしょうか?
クラリティ(clarity)は日本語に訳すと「透明さ」という意味で、その意味の通りダイヤモンドの透明性をあらわす基準です。透明度が高ければ高いほど、ダイヤモンドの評価も高まります。

天然のダイヤモンドはその誕生の過程において、石の内部にさまざまな包有物(インクルージョン)を含んでいます。
一口にインクルージョンといっても様々なものがあって、割れや傷、ほかの鉱物体の包有と種類は多岐にわたり、包有物が多いとダイヤモンドの透明度は落ちるとされています。

クラリティを評価するさいには、傷の大きさや位置、数などを元に判断されていて、全部で11段階のグレードがあります。
では、具体的なクラリティのグレードについて詳しくみていきましょう。

クラリティ(Clarity)のグレード

FL(Flawless)

外部・内部どちらにも欠点がない、最高の品質。
稀少価値が高く、流通数もわずかしかありません。

IF(Internally Flawless)

外部だけに微細な欠点が確認できる、Flawlessに次ぐグレード。
10倍に拡大して検査をしても内部に欠点が見つからない、高品質のダイヤモンドです。

VVS1(Very Very Slightly)

検査によって包有物の発見をすることが極めて難しく、わずかばかりの欠点しか確認されない、高品質のグレードです。

VVS2(Very Very Slightly)

こちらも上記のグレードと同じく、微細な欠点が見られるグレードです。
VVS1には劣りますが、高品質なグレードといえるでしょう。

VS1(Very Slightly)

傷の発見はできるものの、気をつけて検査しなければ欠点が確認できないグレードです。肉眼ではほぼ確認できないほどの欠点で、上等な品質とされています。

VS2(Very Slightly)

上記のグレードと同じく、気をつけなければ欠点が確認できないグレードです。

VS1には劣りますが、優れた品質です。

SI1(Slightly Included)

検査をすれば簡単に見つけることはできるが、肉眼では発見できない程度の欠点が確認されるグレードです。

SI2(Slightly Included)

上記と同じで、肉眼で人間の目で見たときには発見できない程度の欠点が確認されるグレードですが、SL1には劣る品質です。

I1(Imperfection)

人間の目で見ても、その傷がはっきりとわかるグレードです。

I2(Imperfection)

人間の目で見ても、その傷がはっきりとわかるグレードです。I1より劣ります。

I3(Imperfection)

人間の目で見ても、その傷がはっきりとわかるグレードです。I2より劣ります。

クラリティ以外の評価はどういう基準で決められているの?

カラー(Color)

意外と知られていませんが、多くのダイヤモンドはほのかに色がついています。
カラーによる評価では、無色透明に近ければ近いほど高く評価されます。
ダイヤモンドのカラーに関する詳しい内容については、こちらをお読みください。
ダイヤモンド、2種類の「カラー」その違いとそれぞれの意味とは?

カラット(Carat)

「カラット」というとダイヤモンドの「大きさ」を表す単位だと思い違う方も多いですが、カラットは「重さ」を表すものです。重ければ重いほど、高く評価されます。
ダイヤモンドのカラットに関する詳しい内容については、こちらをお読みください。
よく耳にする「カラット」の意味と値段

カット(Cut)

カットはダイヤモンドのカット技術を評価する基準になります。
ほかの要素と違って、職人やブランドの加工技術の高さに左右される要素です。
最上とされる「Excellent」から「Poor」までの5段階で評価されることが一般的です。
ダイヤモンドのカットに関する詳しい内容については、こちらをお読みください。
種類はさまざま!ダイヤモンドのカットについて

婚約指輪にするにはどれくらいの品質がよい?

さて、クラリティやグレードについてのご紹介をしてきましたが、実際に私たちが選ぶときには、どのグレード以上のものを選ぶのがいいのでしょうか?
さきほどご説明したように、I1~3までのグレードだと目に見えて傷が分かってしまうので控えた方がいいでしょう。
婚約指輪は人生のなかでも大切な宝物になるので、Sl1~2のグレードもおすすめできません。
お財布と相談しながらFL~VS2のグレード中で選んでみるのがいいでしょう。
VS2以下のグレードのダイヤだと内部の傷や欠損から割れやすいデメリットもありますので、耐久性といった観点からもグレードの高いものを選ぶことをおすすめします。
クラリティのグレードが高いダイヤモンドは、石止めやリフォームのさいにもトラブルが起きにくいですよ。

婚約指輪のグレードと品質にこだわるなら「FL」と「IF」を

婚約指輪の品質やダイヤモンドの美しさにこだわりたいという方は、ぜひFLとIFのクラリティグレードを選ぶのをおすすめします。
良い品質のダイヤモンドはいつまでも美しい輝きを保ってくれますし、リフォームをした後もきれいに映えます。
手元に着ける婚約指輪は内包物や傷があると意外と目立つもの。
パートナーの方のためにも、ぜひクラリティの高い、透明なダイヤを選んでみてくださいね!

婚約指輪の品質ってどこで確認できるの?

クラリティやカットといった品質ですが、婚約指輪に使われているダイヤの品質はどうやって確認できるのでしょうか?
パートナーの方と相談して指輪を決めたり、一緒に買いに行ったりした方は、お店で確認することができたと思いますが、サプライズでプレゼントをされた方の中には「品質の確認方法が分からなくて困っている」という方もいるでしょう。
そんなときは婚約指輪を購入したさいに付いてきた「保証書」や「品質管理証明書」をみせてもらうのがいいでしょう。購入したブランドに問い合わせてみるという方法もありますが、こちらの方が手間がかからずに詳細な品質が確認できます。
指輪によっては内側にクラリティグレードの刻印がされていることもあるので、グレードが分からなくてお困りの方は一度確認してみてくださいね。

ここまで、婚約指輪のクラリティや4Cについてご紹介してきました。
クラリティと聞いてあまりピンと来ない方もいるかもしれませんが、クラリティの高いダイヤモンドを間近でみると、その美しさは段違いです。
あなたもクラリティの高い婚約指輪を選んで、一生の宝物にしてみませんか?

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